夏の冷え・夏バテについて


異常ともいえる大雨が終わって、一気に猛烈な暑さの7月。

早くも世間では夏バテの声が多く聞かれますが、8月に入ればこれからがまさに夏本番。

そんなただでさえじっとしていても汗が流れてくるようなこの季節に「冷え」というとちょっと意外かもしれませんが、実は「冷え症」は夏に作られるといってもいいほどなのです。

ほんらい夏は気温とともに体温も上昇するため、ふだんはそれほど汗をかかないという人でも汗をかきやすくなって、汗をかくことで身体のなかの毒素や老廃物を排出(デトックス)しやすくなるのですが、実際はどうかというと、日中はクーラーの効いた部屋で薄着に素足、食べるものはそうめんなどの冷たい食べものに飲みもの、お風呂は暑いからといってシャワーだけ、そしてシャワーの後はキンキンに冷えたビールを飲んで、夜も蒸し暑いので一晩じゅうクーラーをかけっぱなし! となったら、これはもう、一日を通して外からも内からも身体を冷やし続けているようなものです。

ただでさえクーラーの効いた部屋と暑い外を行き来するだけで身体は体温調節にエネルギーを消耗し、体温調節を司っている自律神経も乱れてきます。自律神経が乱れてくると毛細血管の調整ができなくなり、血管が過度に収縮したままとなって血液が足先まで運ばれないため、冷えが生じます。冷えた内臓や自律神経の乱れはそのまま食欲不振や胃の不調につながるので、栄養をうまく摂取できなくなった身体はますます消耗して冷えや疲れが悪化する、というわけです。そこに暑くて寝苦しい夜が続いて睡眠不足、ということにでもなれば、もう疲労はピークに達してしまいます。

今月はそうならないためにはどうしたらいいか、という夏の冷え症対策とともに、高温多湿の時期にかかりやすい「夏風邪」について、開発ドクターから注意すべきことを伺いました。

本当に耐えがたい暑さの日は夏全体で見ればごくわずか、とはいっても、あと2ヶ月は暑さが続くことを考えれば、いつ対策を始めても遅くはないと思います。

今年の夏を元気に乗り切るために、どうぞお役立てください。


夏におこる冷えの症状は、主に冷房の効きすぎや冷たい飲み物や食べ物の摂取で身体が芯から冷えることで起こります。内臓温度が1 度下がっただけで13%も代謝が落ちて太りやすくなってしまうだけでなく、冷えは身体のだるさや頭痛、肩こり、腰痛、便秘や下痢といった様々な不快な症状を引き起こします。それを改善するには物理的に冷房から身体を守ること、そして身体の中から温めることが大事です。

< 夏の冷え対策 >

● 保温

暑い屋外から冷房の効いた部屋に入ったら足首を冷やさないように靴下を履く。その際、竹の繊維でできた薄手のソックスなどを履くだけでも温まり、身体がふわっとゆるむのを感じるでしょう。
冷房の直撃から首や肩を守るためには、薄手のカーディガンやショールを常用する。お腹が冷えるという方は薄手の膝かけや腹巻きなどで温めて。

冷えからくる首や肩の凝りには電子レンジで温めて使うホットパックなども有効。
冷房の効いた部屋ではできるだけ冷たい飲み物は避け、カフェインレスの温かいハーブティー、とくに身体を温めてくれるジンジャー・ティーなどがおすすめ。

● 食べ物で冷え症改善

食べ物の中には身体を温めて血をサラサラにしてくれるものと、逆に身体を冷やしてしまうものがあります。

根菜類や自然塩、味噌や醤油やぬか漬けなどの発酵食品や梅干しなどは身体を温めて血のめぐりを良くしてくれるので積極的に摂りましょう。

合成甘味料や食品添加物が入った食べもの、砂糖やチョコレートなどの甘いもの、アルコールやカフェイン飲料、牛乳やアイスクリームなどは身体を冷やし、身体がだるくなったり胃腸の調子を悪くしたりする原因になるので、できるだけ避けたほうがベストです。

●一日の終わりには入浴を

暑いときには入浴もつい簡単にシャワーで済ませてしまいがちですが、身体が冷えていると感じるときには温かい湯船につかることが大切です。38度程度のぬるめのお湯にゆっくりつかることで毛細血管が広がり、手足の末端まで血流が良くなります。その際、ローズマリー、ジンジャー、オレンジ、サイプレスなどのエッセンシャルオイルを入れれば、香りの効果とともにリフレッシュ度もアップ。

一日の終わりにアロマバスで冷えやこりをリセットしましょう。

また入浴中にコップ1~2杯程度の炭酸水を飲むと血行が促進されてより多くの汗をかけるので、がんこな冷え症の方にはおすすめです。

●筋肉をつける

冷え症を根本的に改善するには筋肉をつけることがいちばんです。

ある程度の体力があり、膝や腰に問題がないならスクワットなどの筋トレがおすすめ。

最初は無理のないところから始めて、ワンセット15回以上を目指して徐々に回数を上げていきましょう。膝や腰に問題がある方は、ふくらはぎを鍛える踵上げ運動も有効です。同じようにワンセット15回以上からはじめて、関節が痛くならなければ何回やってもOKです。

そして、すでに夏バテになってしまったという方は、

  1. 眠れるときにはできるだけ眠る。
  2. 常温のスポーツドリンクを飲む。
  3. マッサージやヨガ、ストレッチなどで優しく筋肉を動かす。
  4. しばらくのあいだ、お酒やカフェイン飲料を抜く。
  5. 胃を休めるためにお腹が空くまで食べない。

ということをやってみてください。

この5つのことを同時にやると意外に早く身体は楽になりはじめます。

そして食欲が出てきたら、「イミダペプチド」を含む食べ物の摂取がおすすめです。

この物質は夏バテで疲れ、自律神経のバランスが狂ってしまった身体から活性酸素を取り除く作用をもたらしてくれるのです。
イミダペプチドは主にマグロや鶏の胸肉などにたくさん含まれていて、これらのものを食べると吸収しやすくなります。ただし活性酸素を除去するには、少なくともこれらの食材を1週間は続けてとる必要があるのでちょっと大変ですが。

また漢方薬では清暑益気湯が夏バテに、クーラーの冷えには補中益気湯が有効です。

夏風邪の予防には上記の夏の冷え対策とともに、まず外から帰ってきたら手洗いとうがい、目薬を徹底しましょう。夏風邪は目の粘膜から感染することもあるので、とくにプールで泳いだ後は目薬を忘れずに。

またふつうの風邪同様、ウイルスに感染しないためには日頃から免疫力を上げておくことが必要です。そのための抗酸化物質としてはマルチビタミン&ミネラルコエンザイムQ10アルファリポ酸などがおすすめ。食欲がない人にはスピルリナを原料とするダイエタリファイバーが有効。

最後に、夏風邪にかかってしまったら

  1. 直接風が身体に当たらないようにして適度にクーラーの効いた部屋で休む。
  2. 脱水症状にならないようにスポーツドリンクなどでこまめに水分補給する。
  3. 外から帰ってきたらクーラーをつけるまえにしばらく換気をする。
  4. クーラーの効いた部屋で眠るときには足首、お腹が冷えないようにする。
  5. 睡眠を十分にとって免疫力低下を防ぐ。
  6. 熱が高くなければお風呂に入って汗をかいた肌をきれいにする。
  7. 夏風邪で下痢になったときにはすぐに下痢止めを飲んではいけない。
  8. 身近で簡単にできるショウガワインや梅醤番茶を飲むのも有効。

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