紫外線について


 初夏から真夏に向けて、陽射しが強くなるにつれて気になりだすのが紫外線。

日本では一日の日照時間がもっとも長くなる夏至をはさんで、その前後1ヶ月間がとくに紫外線要注意期間だといわれています。

紫外線を浴びることによって人体が受ける影響(害)はいろいろありますが、まずは下にそれをまとめてみました。

また今月は最後に、紫外線の影響とともに増えてくる熱中症の予防法について開発ドクターに伺いました。どうぞ最後までお読みください。

 

紫外線と皮膚の関係

紫外線=UV(Ultra Violetウルトラ・バイオレット)には『A・B・C』の3種類があり、そのうち一番気をつけなければいけないのがUV-Bです。

太陽の陽射しを浴びて皮膚が赤くなることをサンバーンといい、これは皮膚の血流量が増したことが原因ですが、それは主にUV-Bによって細胞遺伝子にできた傷が引き金となっています。

また皮膚が赤くなった後にメラニンが増え、皮膚が黒くなることをサンタンといい、これも一部は遺伝子の傷が引き金になっていて、よく「日焼けした健康的な肌」などといいますが、医学的には健康的なサンタンはないといわれています。

そして大量に紫外線を浴びたり長年にわたって紫外線を浴び続けた肌は、皮膚の中でメラニンが過剰に作られ、色素が沈着してシミやソバカスになってしまうのです。

また子どものころから紫外線を浴び続けた肌は老化しやすいこともわかっています。

それは光老化(フォトエイジング)といって、長年にわたって浴びている太陽紫外線によって遺伝子が変異したり、遺伝子のはたらきに異常が生じ、あまり紫外線を浴びてない肌よりシミ、シワ、たるみ、乾燥肌などになりやすく、さらに良性腫瘍や悪性腫瘍ができる可能性が高くなります。

なんと肌老化の90%が紫外線によるものといわれているのです。

とくに紫外線を大量に浴びることでもっとも懸念されるのが「皮膚がん」への影響で、子どものころから紫外線を浴びれば浴びるほど発症率が高くなることや、発症する年齢が早くなることがわかっているので、オゾン層が壊れてしまった現代では、生まれたときの赤ちゃんの時代からいかに紫外線対策をするかが皮膚がんを防ぐカギとなります。

真夏の晴天時にもっとも降り注ぐとされるUV-Bをできるだけ浴びないようにすることが、皮膚がんの予防のみならず肌の老化を早めないための得策といえそうですね。

紫外線と目の病気

人の目の中にある水晶体は紫外線を吸収する力があるため、長年紫外線を浴び続けると水晶体のたんぱく質に変化が起こり、濁ってきます。それが白内障です。

白内障になると視力が低下して物がぼやけて見えるだけでなく、最悪の場合は失明してしまうこともあります。白内障になる人の20%、また白内障で失明する人の約2%が紫外線によるものだということなので、皮膚がんと同様、できるだけ紫外線を浴びない注意が必要です。また紫外線による目の病気として、白内障のほかに翼状片があります。翼状片とは、白目の結膜が異常に増殖したために黒目まで侵入し、充血したり異物感が出る症状のことで、やはり紫外線を浴びることが多い人に発症率が高いようです。

紫外線と免疫力

UV-Bは皮膚がんや白内障の原因になるだけではなく、人の免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなってしまうこともわかっています。紫外線を大量に浴びたときにヘルペスができやすいのもそのせいなのです。また紫外線を浴びることによって活性酸素が発生するので、晴天時に長い時間、外で陽射しを浴びるだけでも私たちは疲れを感じてしまうんですね。

紫外線対策

これまでにあげてきた紫外線による様々な影響をできるだけ軽減するには、まずは物理的にできるだけ紫外線を浴びないようにするしかありません。

炎天下ではできるだけ日陰を歩くようにするとか、日焼け止めクリームや帽子、日傘、サングラスをはじめとして、最近はUVカットしてくれる素材でできた衣類もたくさん出ているので、そういったものを積極的に利用したり、また部屋のなかではUVカーテンをかけたりUVカットシールを窓ガラスに貼るのも有効です。

また身体の中からの対策としては、紫外線を浴びることによって活性酸素が増えて体内の栄養素が減ってしまうので、夏バテの一因になります。この時期は積極的にビタミンCコラーゲンβカロテンビタミンB2亜鉛などを食事やサプリメントで摂ることが望ましいでしょう。

具体的にはビタミンA、C、E、の多い食品は、レバー、ウナギ、ニンジン、ホウレンソウ、ピーマン、ブロッコリー、ゴーヤ、トマト、モロヘイヤ、カボチャ、アーモンドなど。多種のビタミンをうまくとるコツは色とりどりなお皿を。普段から赤、黄、緑などカラフルに野菜をとるように心がけてください。

そして紫外線対策でもっとも気をつけるべきは、大人よりも地表に近いところにいて地面からの反射光を浴びやすい小さな子どもや赤ちゃんです。紫外線とともに熱中症にもなりやすいので、小さなお子さんがいる方はぜひご自分のこと以上に常に気を配ってあげてくださいね。

太陽を浴びるメリット

さて、ここまで紫外線を浴びる害ばかりをあげてきましたが、太陽の光を浴びるのは害ばかりではありません。

気持ちよく晴れた日に外で過ごすのは誰にとっても爽快でストレス発散にもなりますし、太陽光には殺菌効果があり、お天気の良い日にお陽さまの光でふかふかに乾いたタオルやふとんは最高に気持ちのいいものです。

また紫外線を浴びることによってカルシウムの吸収を促すために必要なビタミンDが体内で生成されるので、人には適度に日に当たることが必要です。

とはいってもそのためにわざわざ日光浴をすることはなく、両手の甲くらいの面積が15分日光に当たる程度、あるいは日陰で30分くらい過ごす程度で十分だといわれています。

よくないのは、家に引きこもってまったく日に当たらないことです。

紫外線の害はあるとはいっても、生きとし生けるものにとってはなくてはならない太陽。

上手につきあっていく必要がありそうです。